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2004年07月04日(日)
梅雨はどこに行った?

晴れ晴れ晴れ晴れはらほれはらひれ

この間、うちの近くで、車をこすりました。

車両感覚には自信があったのに。

て言うか正確には、ギリで通過しようとしていて、左側の何かの突起物に前輪のホイールケース(でいいのか?)の後ろが引っ掛か
り、鼻フック状態で、ほっぺがぐいっとそのまま後方へひっぱられてしまったんですね。

これが結構あっかんべえなお顔になっちゃいまして。

助手席のドアが開かない。くううう。

こんな時むらむらむらっと頭をよぎる買い換え衝動。

いかんいかんいかんいかん。

目指せ30万・だ。

今回のDVD第4弾で僕が乗ってる車。あれもかなりいい味だしてた。

フォルクスワーゲンサンタナ。

「ゲオルグ」って言う名前を付けていました。

7年程前目黒通りを時速60・で走行中、突然卒倒するようにエンジン停止。

今は、メキシコかネパール辺りの原野を突っ走っているかもしれない。

鉄くずかもしれない。

で現在のやつが、「のぼる君」って言う名前の90年型VOLVO240

これは数年前、赤坂から川崎の梶ヶ谷まで歩いて帰ったことがあって、
明け方多摩川を渡ったところで惨然とスポットライトを浴びてででーんといたやつに一目惚れしちまいまして、購入したものです。

古い。です。

カセットしきゃ聴けません。

なので、懐かしいサザンのファーストとか、佐野元春のファーストとか、高校生の時にとったようなもんばっかり。

負け惜しみですけど私はカセットの音って大好きなんですもんね。

こむずかしく言うと、テープコンプがかかった、パッキリとしてかつグッシャリした分離のワルうい音。

他にも色々壊れるし、もう車1台買えるぐらいのお金がかかってるかも。修理に。

これから来る夏が勝負なんですね。この車は。

北欧のしろくまくんですからね。

水温がね。

きゅうううっとね。

しかしこんないつとまるともしれない車に子供のっけていいんだろうか。

いい。です。

今日の一曲
サザンオールスターズ 当たって砕けろ





ro-

2004年07月10日(土)
桃の季節だなあっとおもう。

今時分

昔売ってたんです。 桃。

軽トラに積んで。

「笛吹川のほとりでたっぷりたっぷり熟したもも、ももはいかがでしょうかああああ」

って。

生活的にせっぱつまって、雑誌で見つけた。

いわゆる、市場をとおさない産直もも。闇もも。

こいつを毎晩新宿中央公園で、トレーラーから受け取り、次の日、駅前とか、商店街のはずれとかで売るわけ。

今も見かけるでしょ?

最初ははずかしくてさ。

別にカメラ回ってるわけじゃなし。

ステージならばどんな事でもやってたけど、スイッチはいんないと、だめでさ。

ええいとばかりに振り切ってノリノリで始めたら、結構売れはじめまして、

富士見台辺りの団地の奥様方御用達になっちゃったりなんかして。

いい気になってたら、

いらっしゃいました。

定番の。

その筋の方々。

最初は、商店街の果物屋のおにいさんが、おどしに来るくらいだったのが、

「君はどこの関係者かな?」

っていうかんじでやんわりと話しかけてこられる、

その筋の方々。

いろんな組の。

方々。

即攻退散。

しかし草原のシマウマのように、ほとぼりがさめた頃まいもどる。

するとまた優しくはなしかけられる。目は笑ってない。

退却。

まいもどる。

これを繰りかえしていたら・・・

つづく。

今日の一曲
竹内まりあ 不思議なピーチパイ



ro-

2004年07月20日(火)
前回につづく。

その人は、マサさんという人だった。

夏も本番を迎えようとしてるのに、長そでのジャージの上下で、パンチパーマ。一見、八百屋か魚屋の親父のようにも見える。

「おう、おめえ学生か?」

と、突然聞かれ、

「は、はい」

と答えると、

「そうかそうか、苦学生か。こんなとこでやってるとあぶなくってしょうがねえよ。俺がいいとこ連れてってやるからちょっと鍵かしな。」

といって、店をたたませて、いきなり全速力で路地をすっとばしはじめた。

まったくわけがわからないまま、助手席で、ちらっと手許を見ると、

小指がなーい。

長そでのジャージの裾からカラフルな柄が見え隠れる。

なるほどね。そういうわけね。

蛇にピアスの20年前ですから。

完璧です。

「あのう、どこいくんですか?」

っておそるおそるきいたら、

「おまえがやってたあそこはよお、うちンとこと隣の住吉のちょうど境目なんだよ。だからおれんとこのシマでやらせてやろうってんだよ。おっと。」

急ブレーキ。

前から来た車と激突寸前。

ももが。僕のももが。

そこで始めてみた、プロのガン飛ばし。

ビームが出てた。目から。確実に。

対向車を長々とバックさせ、

ついたそこは、池袋。平和通り。

名前とは裏腹の。

やばあああい地帯でした。

つづく。

今日の一曲
堀内孝雄 君の瞳は10000ボルト




ro-

2004年07月23日(金)
「ここは完璧うちのシマだから、いまもう双眼鏡でどこの誰だかみてるはずだ。俺が一緒にしばらく売ってやるから、そしたらもう誰も文句いいにこねえよ。」

果たしてこれは、うれしいことなんでしょうか?

「は・・・い」

しばらくマサさんと一緒にやったあと一人になった。

ヤバそうな人たちが次から次に通りすがる。

けど不思議に誰も何もいわない。

世の中の仕組みってやつが、見えた気がした22才の夏。

桃を通じて人生を垣間見た。

ひと通りも多いし、商売敵がいるわきゃないので、結構売れる。昨日入荷したぶん売り切った。

これはいいかも。

若さとは調子に乗るってことなんですね。

組関係にお世話になってるっていう事実も、恐さも薄れてゆく。

このマサさんっていうひと、もちろん正真正銘のヤクザさん。

テキやと博打がメインの昔気質なヤクザさん。

傷害前科5犯。相手はすべて同業者。左腕に三日月状の傷がいっぱいあり、ドスをそこで受けた後に反撃に出るのが、定番スタイルらしい。
競馬好き。一週間で6000万スッたこともある。家屋敷うっぱらったそう。
原付免許しか持っていないのに、何故かアメ車に乗っている。敵対する勢力に狙われてるので、絶対に住んでるとこは教えない。「もし知ったら、お前が大変だよ」本人談。鼻歌好き。練馬鑑別所の歌っていうのを教えてもらった。

世話好き。苦学生を応援するのが趣味。

別に僕は苦労して勉学にいそしんでたわけではなかったんだけど、お金がない学生である事には間違いなく、それで気に入られ、あちこち連れまわされる事になった。

「おまえここ夜やれ。仕事帰りのフィリピン人のホステスとかが絶対買っていくから。な。そうしろ。よしきまった。」

反対する余地もなく、夜中の12時過ぎから池袋の最もホットな地帯で、私は桃を売る事になりました。

そしたらね・・・・


今日の一曲
ゴッドファーザーのテーマ


ro-

2004年07月26日(月)
仕事帰りのフィリピン人のホステスさんはほんとに桃を買ってゆくものなのだ。

うれた。

夜中の2時を過ぎてこんなところで俺は何をやってンだろう。

ときおり
「きみはだれのあれなの?」
ときかれたりすると、
「マサさんにお世話になってます」
などとスラスラ答えている自分がいる。

この世界にすでに片足いれてんのか?

慣れというのはほんとに恐い。

そろそろたたもうかとしていた時、

「ぱん ぱん ぱん」

乾いた音。

怒鳴り声、走って逃げる音。

大騒ぎ。

出入りだ。

妙に冷静。

さあさ店をとっととたたんで、こんな物騒なところなんか二度と来るもんか。やくざなんかになれるわけがない。堅気で結構。大人しく羊のように生きるんだ。そそくさそそくさ。

「おい。おまえ。」

これまたドスの聞いた声が背後から降り掛かって来た。

見ると、みるからに、人を威圧するためだけに顔の造作が機能しているふうな男が2人、こっちににじり寄ってくる。

耳からイヤホンが出てる。

ははあ毒をもって毒を制するお顔なのね。

マル暴のデカさんです。

「お前はここで何をしてる」

「桃売ってます」

「かたぎじゃねえな」

「学生です」

「ばかやろう。学生がこんなところで商売やれるわけがねえじゃねえか」

やれるわけがない。コネ無しに。
慌てて学生証を出す。

「なんだこりゃあ。3年前できれてんじゃねえか」

そうなの。学生証1年のまま更新してないの。もぐりなの。

身分を証明する手立てもない。
かといってここでマサさんの名前でもだそうもんなら、確実に連れてかれる。

「いまの銃声きいただろ」

「はい」

「お前なんか関係あるだろ。夜中にこんなとこで桃売ってるなんておかしいだろ」

たしかにおかしい。でもうれる。

「おまえちょっと来い。うちで尋問するから。今日は帰れねえぞ」

あ〜あ〜あ。

僕の22の夏はどこへゆく。

「おう、どうした」

主役登場。

隣にマサさんが立ってた。

今日の一曲
郷ひろみ&きききりん 林檎殺人事件




ro-

2004年07月31日(土)
「だから言ってんだろうが、こいつは学生で、俺が面倒見てんだってよ。なにい?おれをしらねえ?おめえらこそもぐりだな、マル暴じゃねえだろ、こそどろ担当のデカか、おい、こら、このおれをしらねえで、でけえつらして歩きまわってんじゃねえぞ、おまえんとこの○○か、○○にいっとけ、半端なやつよこすんじゃねえってよ。」

僕としては、もう諦めていた。

今日は、留置所だろな。夏でよかったな。でも風呂はいりたかったな。

ところが、ここでも世の中の仕組みをまなんだ。

最初のマサさんの台詞の、○○や○○っていうのが効いた。

多分、いまいる刑事さん達の上のほうの人の名前なんだろうと思われた。マル暴の。

どんな状況にあっても、どんなに敵対する関係であっても、いやそうであればなおさら。

人脈というのは、ものすごく有効に作用するんだ。

「おら、いくぞ。」

とまささんが運転席に乗り込み、エンジンをかける。

二人のデカさんが見守る中、僕も助手席に乗って、無事に脱出成功。

「○○組の若いやつが、事務所の入り口で、チャカぶっぱなしていきやがったんだ。」

まささんが運転しながら言った。

世間話だな、のりがほとんど。

「しかしあいつらなめてやがんな、俺をしらねえとかぬかしやがって、人手がたんねえから、どっか他んとッからかき集めてきたんだな。」

自分の事務所が銃撃されたことよりも、そっちが頭来てるみたい。

「腹減ったな、おし、ラーメン食いにいくぞ。うまい屋台があんだよ」

着いたのは、石神井公園。

「おう、ラーメン2杯くれ。」

屋台の親父さんの顔が引きつる。

そそくさと作りはじめる。

助さん格さんが、水戸黄門の印籠出してる時、その前でひざまずいてる悪代官は、黄門様にひざまずくのは納得行くだろうが、なんでおれが、こんなやつにまで、ひれふさなきゃなんねえんだっていうのが御一行の中にいる。

うっかり八兵衛。

そう。そっからラーメン食べ終わるまで、そこのおやじから僕に向けられていた視線は、八兵衛に対する悪代官のものだった。

「おい、卵食え。えんりょすんな。」

とか言われる度に気が引ける。

トラの威を借る狐って言うのも、結構才能いるんだ。

「またくる。」

もちろんお金なんて払わない。

「ごちそうさまです。」

僕の言葉が、空疎にひびく。

「ちょっとよ。今日寄らなきゃなんねえところがあんだ。つきあえ。」

「ぱん。ぱん。ぱん。」

で始まった夏の夜は、まだまだおわらない。

今日の一曲
シカゴ 長い夜








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